語彙を失ったオタク

「あっ……」とか「尊い……」とか「!!!!!、!!、!!!!、、!!」とだけ述べて、言葉に詰まってしまった様子を表す様式がある。(ちなみに「!」のなかにある「、」はフリック入力のミスの産物だ*1けど、息が一瞬止まる様子も自動的に表してくれてお得)。

こいつらは要するに「語彙を失ってしまうほどの興奮」を表す記号*2となっている。ところが面白いことに、この表現を使ったところで、本当にその気持ちが伝わるかどうかは使用者の普段の言動にけっこう依存している。「普段はこんなに論理的な感想*3を言っているこの人が言葉を失う(1単語しか言えない)ほど」というギャップが成り立たせている表現だからだ。

論理的な感想は、それが全て頭のなかにあったとしても文章に起こすのはけっこう大変だ。スラスラ出てくる人もいるだろうけど、それでも「あっ……」とだけツイートするよりは遥かにコストが大きい。だが、その積み重ねが「あっ……」だけのツイートを引き立たせるというのはけっこう面白いと思う。

話はちょっとズレるが、インパクト一発勝負みたいな強いフォーマットは使うだけでちょっと面白いことをいった気分になれる。が、そういう言葉は使えば使うだけ与える印象が減衰していく。4, 5回も見てしまえば飽き飽きしてくる。

とは言いつつも自分はけっこうやりがち、というか自分に100%刺さる記事なので気をつけたい おわり

*1:だと思っている

*2:「記号」って言ってみたかっただけです

*3:客観的ということではない。「背景の描き込みが非常に細かく、作品世界に引き込まれた」とかは論理的ということにしている